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受賞作品

伊藤園 お~いお茶新俳句大賞

英語俳句の部 大賞

  • holiday pebble
    whiter on the beach
    than back at home 訳/ 行楽地の小石持ち帰ってみると浜ではずっと白かった

    スイス Vigar Andrew 41歳

    休暇先の浜辺で見つけた白く輝く小石。水の作用で滑らかに磨滅し、形も良い。記念に持ち帰って見ると、拾った時の輝きは失せ、平凡な石くれだ。狐に騙されたような、がっかりした経験は誰にも思い当たろう。人の心理を鋭くついて、おかしくもある句。和訳と違って原句の英語は、省略のよく効いた、リズミカルな表現で素晴らしい。

英語俳句の部 優秀賞

  • still feeling its way
    around the blind bends―
    the eyeless river 訳/ 見通しのきかない急カーブを盲目の川が行く行く手を感じながら

    イギリス DAVID COBB  80歳

  • hydrangea
    not a single petal
    the same 訳/ 紫陽花一つとして花びらは同じでない

    兵庫県 中村 ちさ子 43歳

  • two cats of mine
    fighting in summer
    sleeping together in winter 訳/ うちの二匹の猫夏は取っ組み合い冬は身を寄せて眠る

    神奈川県 栗原 さやか  14歳

  • fish
    caught in the
    net of light 訳/ 魚光の網に捕えられ

    福岡県 尾上 明日香  16歳

  • The sky is clear and blue
    clouds are swimming all around
    just like a pool 訳/ 空は澄んで青い雲たちが泳ぎまわってプールのよう

    静岡県 佐藤 彩香  13歳

  • into the dusk
    the doe's tail
    flees its own white 訳/ 夕闇の中へ雌鹿は尻の白さをふり捨てて

    アメリカ LeCount David 62歳

  • rolling thunder
    the deeper darkness
    of distance 訳/ とどろく雷鳴遠くの闇が深まり

    アメリカ Kacian Jim 53歳

  • a visit
    two tiny feathers
    on the sill 訳/ おとずれ二つの小さな羽毛が窓敷居に

    イスラエル Dikova Tanya 54歳

  • high tip of the pine
    a warbler swivels its head
    vista to vista 訳/ 松の梢で鳴鳥が首を回すあち見こち見し

    オーストラリア Young Quendryth 71歳

英語俳句の部 審査員賞

  • 星野恒彦選

    skull tingling
    in a sleeping bag
    beneath the stars 訳/ 星空の下寝袋にいて頭蓋がうずく

    台湾 Pfleuger, Jr. Paul 36歳

    満天の星の下、寝袋に入って眠ろうとする。が、頭蓋がひりひりと疼いて眠れない。寒気のせいなどではなく、あまりに見事な星空の影響なのだと想像させられ、暗示性に優れた句。

  • フィリップD.ジトウィッツ選

    Silence rustles
    as the moonlight drips
    on yellow leaves. 訳/ 靜けさがゆらぐ黄葉の上に月光がしたたるとき

    セルビア Milenko Cirovic 57歳

    この俳句は自然が生き生きと我々によみがえってくるようだ。通常一緒には使わないであろう言葉 (silence と rustles、moonlight と drips) をあえて使用することで、生命力を感じさせ、自然界の動画的イメージを深めている。

英語俳句の部 後援団体賞

  • 国際俳句交流協会選

    just enough moon
    for this firefly to land
    on my finger 訳/ この蛍が私の指にとまるのに
    ちょうどよい月明かり

    アメリカ Beary Roberta 52歳

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