ベートーベンにらんでばかりおそろしい
ベートーベンの顔は音楽室にはってある絵で見てました。こわそうな顔をしているので、きっとすごく勉強家で生まじめな人だろうなあと思いました。私は、日本の外の香港にいるけれど、日本のことを勉強していて、校庭がとてもせまいけれど、元気一杯すごしています。いつか香港に遊びにきて下さい。
この作品の「にらんでばかり」というところに面白さが感じられます。楽聖ベートーベンのハンディを克服して優れた作品を残した、その苦悩の知識として持っている大人は「おそろしい」という表現には至らないのですが、ベートーベンの像から得た率直な印象を、小学生らしく述べている点がかわれました。
土手で寝る少しの間雲になる
友だちとよくおしゃべりにいく土手が近所にあります。この俳句は、去年の夏にそこへ行ったときのものです。大好きなところなので、俳句を作るとき、素直な気持ちがでたのかな、と思います。どうもありがとうございました。
この作品には季語がないのですが、「土手で寝る」という表現から、春から初夏にかけての感じを連想させます。すこしの間、なにも考えずに無心に雲を見て、自身と雲が一体化するというのもありうる話ですが、在来の俳句にない新鮮な感じがします。
光年といふ月日あり冬銀河
俳句づくりは三年ほど前から始めました。今はカルチャーセンターの通信添削を受けています。福島の田舎に帰ったとき、星空がとても素晴らしくて、その時の印象を詠んだ句です。第1回に応募したときは全然駄目でしたし、他の俳句大会など入選経験が1度もないので、とても嬉しいです。
人類の文化はたかだか数千年のものです。その中で生きる私たちの月日は、昭和とか平成とかいっても、それは微々たるものです。それが、宇宙的スケールでは人類史自体も瞬間に過ぎません。でも、その瞬間を生きているのが私たちです。句が大きくて新しさがあり、ロマンが感じられます。