学校での活用動画
新俳句大賞を教材として活用する同校は、日頃の俳句創作の成果発表の場、そして子どもたちを誉める機会として第十三回から毎年応募していただいています。第二十九回では佳作特別賞2名、佳作11名を輩出する会津一俳句熱の高い学校です。
先生インタビュー
創立100年を越える歴史のなかで、俳句づくりの伝統は60年以上におよびます。月に数回、独自の課外時間「ひとみタイム」中で俳句をテーマにするほか、歴代の会津俳句連盟会長による授業なども。廊下には児童が詠んだ句に絵を添えた短冊が並び、学習発表会では父兄も投句するなど、学校・親子ぐるみで俳句に取り組むのは一箕小ならでは! 毎年、俳句集「いちょうの実」を制作し、「新俳句大賞」受賞作ほか、全児童の句を掲載しています。
授業風景
生徒さんインタビュー
同校の鶴田浩司先生は、新俳句大賞の第一回から三十回まで欠かさずに毎年応募していただいております。
鶴田先生は「ひとつのことを表現するにもさまざまな言葉があるので、言葉を選んで俳句なり短歌なり、あるいは自分の思いを綴る作文なりを実践させることで、子どもたちに感性を取り戻させたい」と考えて取り組んでいます。
先生インタビュー
取り組みのご紹介
日本語俳句
自分の言葉で意見が言える子供が増えました
福山市立御幸小学校 桒田美穂子先生
児童たちの語彙力低下が懸念され、“言葉を大切に育んで欲しい”という思いから7年前から新俳句大賞に取り組み始めました。五・七・五という短い言葉の組み合わせの中に“楽しい”、“嬉しい”、“悲しい”という言葉でなく、違う言葉で自分の気持ちを伝えること、絵が見えるようなイメージを大切にすることをポイントに指導しています。
日ごろから無理せず楽しく自由に創作させるため、職員室の前にその月の季語表を掲示したり、俳句投函BOXを設置し、毎月500句の応募の中から優秀な作品を校長先生賞として発表しています。給食時間に発表するのですが、子供たちは期待と不安でこの日だけは学校内が静寂になり、放送に聞き入っています。いつも入ることのない校長室での表彰式も子供たちの創作意欲を刺激するようです。
このように当校では日常に俳句を創作することで、言葉にこだわり、自分の言葉で自分の意見が言えるようになった児童が増え、家族や友達とのひとつのコミュニケーションツールにもなっているようです。もちろん新俳句大賞は賞金が出たり、「お~いお茶」に掲載されるため、子供たちにとってとても興味を引くコンテストです。俳句創作により、子どもたちの語彙や表現力が
豊かになっています八峰町立峰浜小学校 赤塚麻由先生
わが校では、近隣のお寺の住職である柳川先生から、各学年ともに年に1〜2回は俳句授業を受けています。授業内容は、出張授業である「俳句教室」だったり、児童がお寺に出向いて座禅とともに俳句を習う「俳句道場」だったり、様々です。学校行事に柳川先生にも参加してもらい、その中で吟行を行うこともあります。児童には、いつでも俳句がつくれるよう俳句手帳を持たせており、俳句創作が学校生活の中で習慣化しています。これにより、俳句をつくったことがない1年生でも季節の言葉が自然と出てくるようになり、中高学年では語彙や表現力が豊かになり、他の分野においてもプレゼンテーション力が高まっていると感じます。
新俳句大賞への応募も、児童たちにとっては腕試しであり、通常とは異なる視点からの評価を受ける機会として活用しています。同年代の入賞句を活用
帝塚山学院中学校 若林三枝子先生
毎年、冬休みの宿題で俳句を創り、新俳句大賞に応募しています。
新俳句大賞の特徴の一つでもあると思いますが、俳人だけでなく同年代の方でも上位賞に選ばれることが、生徒にとってモチベーション高く俳句創作に取り組んでいる理由だと思います。
著名な俳人の句だけでなく同年代の面白い俳句を紹介することで、生徒たち自身の言葉でも俳句を創れることを認識させることができ、新俳句大賞は俳句授業には欠かせないものとして活用しています。継続的に創作することで、俳句のレベルアップを図る
愛知県立安城高等学校 加藤国子先生
当校は、文芸部や授業の中で、積極的に俳句づくりに取り組んでいます。俳句の作り方を学んだ後、俳句づくりをし、句会を通じて俳句の楽しさを味わっています。
文芸部が出版している文芸誌「ユニコーン」では、句会に出した俳句や句会の結果を掲載し、各教室で紹介しています。また、部活動だけでなく、授業の中でも時々グループ句会などをしています。創作した俳句は、時期や内容に合わせて全国の俳句コンテストなどに投句しています。
新俳句大賞は、6年前から冬休みの課題や授業の宿題で取り組ませています。コンテストに応募し、賞に選出されることで、俳句への興味・関心がより高まっているようです。新俳句大賞は「お~いお茶」に掲載されるため、生徒のモチベーションにつながるコンテストとして活用しています。
英語俳句
冬休みの課題に最適
聖心女子学院中等科 三村彩花先生
応募のきっかけは、新俳句大賞の英語俳句が副教材に掲載されているのを見て、「我が校でも取り組んでみよう」ということだったと思います。毎年1・2学年の生徒全員を対象に冬休みの課題として出題、第二十四回から継続応募しています。
生徒には、インターネットの情報を参考に作成した英語俳句の創り方と、事例作品として当校の受賞作品などをプリントして渡しています。英語俳句は、創作において日本語俳句より自由度が高いので、子供たちも新鮮に受け止めているのか、英語俳句の創作経験の無い1年生でも抵抗なく取り組めるようです。特に2年生になると慣れてくることもあり、よりスムーズに創作しています。
我が校では、英語授業以外に、大学や新聞社が主催する英語スピーチの大会に、自由参加でエントリーしていますが、英語俳句は気負いなく取り組める点が良く、冬休み課題に最適だと思いますので、第三十回も引き続き応募したいと考えております。楽しみながら英語に触れることができるいい機会
佐世保市立福石中学校 萩原一恵先生
3年生は受験、1年生は英語にあまりなじんでいないということもあり、2年生を対象に取り組みました。表現力豊な生徒たちをさらに強化するということが最大の目的でした。生徒たちは英語の教科書の中に出てくる詩には触れたことはありましたが、英語での俳句というのは初めてでしたので、これまでの入賞作品や英訳された有名な俳句を事例として説明しながら授業のカリキュラムとして創作させました。
特に心がけさせたことは日本語の俳句と同じように説明するような文章にしなくていいということ。その情景をイメージさせたり、自分の気持ちを表現するのに相応しい単語は何か考えさせながら詠ませました。
自分たちが作った作品を新俳句大賞に応募し、受賞した作品が商品に掲載されるということなどが生徒たちの創作意欲をかきたてたということもありましたが、生徒たちに英語に楽しみながら触れる機会が持てたことはとてもよかったことだと思います。次回も参加できればと思っています。継続的な創作で、俳句のレベルアップを図る
星美学園中学校・高等学校 渡邉昭宏先生
中学3年から高校2年生までの生徒全員を対象に、毎年冬休みの課題として取り組ませております。
中学は通常の英語、高校は「英語表現」の授業の中で表現活動の一環として英語俳句のルールを説明し、作品例、新俳句のホームページも活用しながら創作活動を行なっています。
本校では長年に亘り、短歌や俳句の創作に取り組んでおり、年度ごとの優秀作品を集めた『星美百人一首』はまもなく25周年を迎えようとしています。短文の創作活動が生徒たちの日常生活に組み込まれておりますので、英語俳句の世界にも抵抗なく入っていけるようです。また、英語俳句は短い文や単語の組み合わせで構成されているため、英語が苦手な生徒でも取り組みやすいという点にも注目しています。意外な生徒がキラリと光る作品を創るケースもあり、生徒たちの新たな一面を発見する機会にもなっています。
英語俳句の世界を通して、今後も生徒たちの豊かな感性を育んでいきたいと考えております。英語が得意でない生徒の興味喚起にもつながります
静岡県立浜松商業高等学校 小原百合子先生
英語俳句を英語表現の授業の1~2時間で取り組んでいます。
授業では、最初に新俳句大賞の授業用教材資料にある英語俳句の基本的なルールを説明、併せて前回入選した作品の一部をプリントで配布し、その句はどういう情景を詠んだものか、作者はどんな気持ちだったのかをグループで話し合って鑑賞します。
このプロセスにより、生徒たちの想像力が高まり、数単語で驚くほど奥行きのある情景や気持ちが表現できることを実感します。その後、創作するときには、説明的にならない、日常生活をテーマにするなどのポイントを伝えます。
新俳句大賞への応募を通して、生徒は英語を自分の言葉として使う機会がもてます。また素直な気持ちを詠むことが大切なので、必ずしも英語の成績が良い生徒が選考されるのではなく、英語の不得手な生徒にもチャンスとなり、英語に興味を持つきっかけになっていると思います。