審査について

金子兜太先生ありがとうございました

「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」の企画段階から様々な形でご協力いただき、最終審査員として第一回から新俳句大賞を支えていただいた金子兜太先生が、平成30年2月20日に永眠されました。謹んで生前のご尽力に深く感謝申し上げると共に、心からご冥福をお祈りいたします。

金子兜太先生は、新俳句大賞について「“俳句”という日本人にとって一番馴染みある形式で表現できる場を提供したことで、人々が潜在的に持っていた文化感覚を掘り起こし、その文化感覚の広がりが応募数に表れている」と評価いただいておりました。また、新俳句大賞を通じて俳句文化の継承と、人々の文化感覚をより一層高めたい、その一端を担って欲しいというお気持ちを持ち続けられ、新俳句大賞の審査に最後まで携わっていただきました。

新俳句大賞では、これまでの金子兜太先生の功績を讃えると共に、その御遺志を引き継ぎ、俳句の大衆化の継続とさらなる発展のため、今年11月からスタートする第三十回新俳句大賞より、「金子兜太賞」を新設いたします。

金子兜太先生を偲んで

「伊藤園お~いお茶新俳句大賞」に対する金子兜太先生の思いや、審査会・表彰式時の様子を振り返ります。

金子兜太先生語録

  • 新俳句大賞は、国民文芸として俳句が持っている文化性とお茶の持っている市民の生活に浸透している文化性が、うまく溶け合っているのが非常に強い力だと思います。(第十二回懇親会)
  • いよいよ伊藤園の俳句は、本物になってきていると私は思います。現代俳句というのは、伊藤園を軸にできている。(第十六回懇親会)
  • 新俳句大賞は日本の文化感覚を広めたと思います。俳句という一番馴染みやすい形式を通じて、今まで潜んでいてなかなか日常生活では出せなかった、一般の人の感覚を掘り起こした、俳句で表現できるようにしたと。(第十七回懇親会)
  • あとしばらくすると、「俳句の現在の姿は新俳句だよ」と、確信を持って言われるようになるだろう。(第二十二回講評)
  • 私の長い俳句人生を顧みても、これだけ本当の意味で影響力のある俳句イベントは、他にないと思います。審査員を務めている他の大会は、季節が過ぎるように忘れてしまいますが、新俳句大賞は違いますね、思い入れがあります。(第二十八回最終審査会)
  • 現代俳句協会で初めて話を聞いた時、「面白い、協力しよう」という気になりました。その判断は、間違っていませんでした。(第二十八回最終審査会)
  • 最終審査会には、いつも新鮮な気持ちで参加します。新俳句大賞は、沢山の人々が俳句に触れ、俳句を詠む機会を創ってくれています。新俳句大賞の審査員が一番おもしろいのです。いい友達と出会える貴重な機会であり、いい先輩にも出会いました。 (第二十八回最終審査会)
  • 作句が技術的なこと、言葉選びに偏ると、本来、高校生が持っている新鮮、柔軟な感性、感覚が殺されてしまう危険があります。技術は二の次、まずは感性、感覚を磨くことを心掛けるべき。(第二十八回講評)
  • 新俳句大賞は、森澄雄もそうだったが、生きているうちは審査員をやり続けたいと思います。(第二十八回最終審査会)
  • 現在の新俳句大賞の勢いや影響力は、江戸時代の川柳の隆盛に匹敵するのでないかと思っています。関わっている皆さんの力で、新俳句大賞を、さらに成長させ拡張していってほしい、私もまだまだ頑張ります。(第二十八回最終審査会)

Photo

  • 第十五回記念懇親会にて

  • 大賞受賞者と記念撮影(第十六回懇親会にて)

  • 新俳句20周年の記念にして頂いた揮毫

  • 第二十回最終審査会にて

  • 第二十四回最終審査会にて

  • 第二十五回最終審査会にて

  • 第二十七回最終審査会にて

  • 第二十八回最終審査会にて

  • 秩父音頭を披露(第二十八回表彰式にて)

  • 第二十八回表彰式集合写真

  • 撮影:浅井慎平氏

金子先生を語る

  • 黒田 杏子

    これだけの弔句が寄せられた人はいない。「朝日賞」を受賞された理由の中に、新俳句大賞の選者を務め、俳句大衆化に寄与されたということもあり、金子先生は国民的俳人・詩人だ。

  • 安西 篤

    俳壇は大きな喪失感に見舞われているが、その谷が深ければ深いほど、そこから立ち上がる、這い上がる力という者を金子先生からいただくことができる。

  • 吉行 和子

    金子先生と最初からご一緒できて28年間、本当にありがたかった。それを忘れずにこれからもいようと思う。

  • 宮部 みゆき

    金子先生の最晩年の生の声が聞けて大変幸せだった。来年には先生のお名前をつけられた賞ができることは大変喜ばしいことです。

  • 星野 恒彦

    アメリカで俳句の殿堂入りしているのは、芭蕉、蕪村、一茶、子規、そして金子兜太。金子先生の作品も多数英訳されており、国際的感覚があるからだ。

  • エイドリアン・ピニングトン

    俳句の歴史の本を読むと最後に金子先生で終わる。先生とご一緒できて、歴史そのものが目の前に現れている感じだった。

  • 金田一 秀穂

    これから生きていく上で、金子先生とお会いできたことはとても大きな財産だ。

  • 村治 佳織

    金子先生はその句の持つよさを瞬時に見抜き、選ぶ時の潔さは心に残っている。そんな先生と同じ句を選んだときは「○」をいただいたようでした。

  • いとう せいこう

    金子先生の追悼原稿を書いているとき、金子先生が亡くなったと全く感じさせない文学というか、芸術というものはすごい。これも金子先生から教えていただいたことだ。

  • 浅井 愼平

    金子先生の写真を差し上げると、「君、これは傑作だ!!」と返事をくださった。それはお世辞であると同時に、先生ご自身がかっこよく写っていたから好きだとおっしゃったのでは…。それはとても先生らしい。

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